エアコンの「6畳用」「8畳用」って、じつは 60年前の木造和室を基準にした古い数字 のまま。だから、お部屋のタイプによって選び方が変わってきます。
- ✅ 普通の木造の家 → 表記通りでOK(6畳の部屋なら6畳用)
- ✅ 鉄筋マンション → 表記の1.5倍までOK(6畳の部屋でも9畳用までいける)
- ✅ 天井が2階まで抜けている家 → ワンサイズ上が安心
1エアコンの「畳数表記」は何を基準にしているか
「6畳の部屋に8畳用、ありなの?」「うちは木造だけど、マンションと同じ選び方でいいの?」「吹き抜けってどう考えればいい?」——お買い替えの前に必ず迷うポイントを、福岡の現場で15年やってきた感覚でやさしくお話しします。
エアコンのカタログを見ると、「6〜9畳」「10〜15畳」みたいな表記がありますよね。じつはこの数字、1964年(昭和39年)に決められた『木造の和室・南向き』という古い基準 のままなんです。今から60年前ですから、ご両親が子どもだった時代の数字。
カタログの「6〜9畳」みたいな書き方は、こんな意味です。
- 左の数字(小さい方):木造の和室で「これくらいまで効きますよ」という広さ
- 右の数字(大きい方):鉄筋マンションで「これくらいまで効きますよ」という広さ
- 例:「6〜9畳・2.2kW」なら、木造6畳の和室、または鉄筋9畳のリビングまで対応できる
つまり、同じ「2.2kW」のエアコンでも、木造の戸建てなら6畳が限界、鉄筋マンションなら9畳の部屋までいける ということ。同じ商品なのに、家の作りで「使える広さが1.5倍」変わるわけです。
エアコンの省エネ性能はどんどん進化しているのに、「○畳用」という数字の基準だけは60年前のまま。だから今のマンションだと、表記より少し小さめでも十分効く——という感覚を持っておくと、機種選びで損しません。
2鉄筋と木造で畳数が変わる理由
同じ「6畳」のお部屋でも、木造の家と鉄筋マンションでは必要なエアコンの大きさが変わってきます。理由はシンプルで、家の壁の厚さや、外の暑さ寒さの伝わりやすさ が全然違うからです。
普通の木造の家は、外の熱がそのまま入ってくる
木造の戸建ては、壁が薄くて隙間も多めなので、外の暑さや寒さがダイレクトに入ってきます。夏は屋根からの熱で2階がムワッと暑くなる、冬は床下から冷気が上がってきて足元が冷える——築年数が経った木造の家にお住まいの方は、思い当たりますよね。
こういう家は、カタログ表記の「大きい方の数字」に近いサイズを選んでおくのが安心。「6〜9畳」と書かれた機種なら、6畳の部屋でも2.2kWより少し余裕のある2.5kWクラスを選ぶ、というイメージです。
鉄筋マンションは、ぐるっと壁に守られている
鉄筋マンションは壁・天井・床がぶ厚く、上下左右もお隣さんの部屋に囲まれているので、外の気温の影響を受けにくい構造です。お隣がエアコンをつけてくれていると、こちらの部屋もうっすら温度が安定する——そんなイメージ。
だから カタログ表記の「小さい方の数字」〜表記の1.5倍ぐらいまで 、余裕を持って効きます。6畳の鉄筋マンションなら、4〜6畳用(2.2kW)で十分というご家庭が大半です。
福岡だと、こう考えるとピッタリ
福岡市内のマンションは鉄筋コンクリートが多く、郊外や糟屋郡の戸建ては木造が中心。同じ「6畳の寝室」でも、マンションなら2.2kW、木造の戸建てなら2.5kW をおすすめする場面が、現場では本当に多いです。
同じ木造でも、2000年以降に建てられた新しめの家は、断熱材がしっかり入っていてマンション並みの性能があります。築20年以上の木造はワンサイズ上、築浅の高気密住宅は表記通り——とざっくり覚えておいてください。
3こんな間取りの家は、表記通りに選ぶと効きが弱くなります
「天井が高い」「部屋と部屋がつながっている」「大きな窓がある」——こういう、ちょっと変わった間取りの家にお住まいの方、けっこういらっしゃいますよね。じつは 表記通りの畳数で選ぶと、真夏や真冬に「あれ、全然冷えない…」となりがち です。
エアコンに書かれている「6畳用」「20畳用」という数字は、天井までの高さが普通(2.4mぐらい)の、四角いシンプルな部屋を想定して作られています。でも実際のお宅は、天井が2階まで抜けていたり、リビングとダイニングが続いていたり、南向きで大きな窓があったり——本当にいろいろです。
だから現場では、畳数だけ見るのではなく 「お部屋の中の空気の量」と「どこから熱が出入りしているか」 をセットでチェックして機種を選んでいます。
天井が2階まで抜けている吹き抜けのリビング
20畳のリビングでも、天井が2階まで抜けていて高さ5mある場合、その部屋の中にある空気の量は普通の部屋の 2倍以上。同じ20畳でも、エアコンが冷やす(あたためる)ボリュームが全然違うんです。
普通サイズのエアコンだと、エアコンの近くだけは冷えるけど、ソファに座っている人の足元まで冷気が届かない——というお声を、戸建てのお客様からよくいただきます。
- 天井までの高さ2.4m(普通の家):カタログ表記通りでOK
- 天井までの高さ3m(ちょっと高めの家):ワンサイズ上が安心
- 天井が2階まで抜けている(高さ4m以上):ツーサイズ上+シーリングファンの併用が現実的
シーリングファンは季節で「風の向き」を変える
吹き抜けの家で頼りになるのが シーリングファン(天井で大きな羽根がゆっくり回るアレ)です。エアコンと一緒に使うと、空気をやさしくかき混ぜてくれるので、体感の温度がぐっと変わります。ツーサイズ上のエアコンを買わなくても、ファンを併用するだけで快適になるご家庭も多いんですよ。
コツは、季節で羽根の回り方を切り替える こと。
- 夏(冷房のとき):風が 下向き に来るように回す。床近くにたまる冷たい空気を、上から押し出してソファや床にいる家族のところまで届けます
- 冬(暖房のとき):風を 上向き に切り替える。暖かい空気はどうしても天井にたまるので、それを壁づたいに下へ降ろしてあげるイメージです
機種によって「正転/逆転」の呼び方が違うので、シンプルに 「夏は風が下に来る」「冬は風が上に行く」 と覚えておけば失敗しません。月初めに切り替えるルーティンにしておくと、忘れずに済みますよ。
リビングとダイニングがつながっている家
最近の福岡の建売や新築マンションでよく見る「リビング15畳+ダイニング8畳が引き戸で仕切れる」という間取り。引き戸を開けっぱなしで使うなら、エアコン1台で 合計23畳分 を冷やしたり暖めたりすることになります。
「リビングは15畳だから15畳用でいいや」と選んでしまうと、ダイニングまで風が届かず、夕食どきにキッチンが冷えない…ということが起きます。引き戸を開けて使うなら20畳用以上、閉めて使うなら15畳用——この使い分けが目安です。
南向きで大きな窓がある部屋
南向きで床まで届く大きな窓(掃き出し窓)がある部屋は、真夏の太陽でぐんぐん暑くなります。同じ8畳でも、北向きの寝室と比べると、エアコンには 2畳分くらい余分に頑張ってもらう必要 があるんです。
福岡だと中央区・早良区のタワーマンションや、糟屋郡のリビング南向き戸建てなど、「眺めはいいけど夏は地獄」というお宅が多めです。こういう部屋は迷わず ワンサイズ上 を選んでおくと、真夏でもしっかり追い込みが効きます。
階段がリビングから2階に抜けている家
「リビング階段」と呼ばれる、階段がリビングから直接2階に上がっていく家。最近の建売で本当によく見る間取りですが、エアコン選びでは要注意ポイントです。
冬に暖房を入れても、せっかく暖めた空気が階段を伝ってどんどん2階へ逃げてしまうので、リビングがなかなか温まりません。「うちの暖房、効きが悪いんだよね」というご相談をよくいただきますが、原因はエアコンよりも家の作りだったりします。リビングのエアコンはワンサイズ上を選んでおくと、こういう家でも我慢せず暮らせます。
4「ワンサイズ上」を選ぶべきケース・選ばなくていいケース
「迷ったらワンサイズ上にしておけば安心」とよく言われますよね。でも、なんでもかんでも大きいほうにすればいいわけではないんです。大きすぎると本体価格も電気代もムダになりがち。お部屋のタイプで判断しましょう。
こんな家はワンサイズ上にしましょう
- 築20年以上の木造の戸建て(壁が薄くて外気に弱い)
- 天井が2階まで抜けている家、または天井までの高さが3m以上ある家
- 南向き・南西向きで大きな窓がある部屋
- リビングとダイニングがつながっていて、引き戸を開けっぱなしで使う家
- キッチンの料理の熱がリビングに流れ込みやすい間取り
- 家族4人以上が常にリビングに集まる
こんな家は表記通りでOK
- 2000年以降に建てられた鉄筋マンション
- 北向き・東向きで、太陽が強く差し込まない部屋
- ドアでしっかり仕切れる寝室・子供部屋
- 天井までの高さが2.4mの普通のお部屋
- 普段その部屋にいるのが1〜2人
「2サイズ上で安心」は、じつはトクじゃない
「迷ったら大きいほうがいいでしょ」と2サイズ上を選ぶ方がいらっしゃいますが、本体価格が3〜5万円高くなるうえに、能力がありすぎて設定温度にすぐ届いてしまい、エアコンがオン・オフを繰り返してかえって電気代が増える、というパターンもあります。
現場で15年やってきた感覚として、必要なら1サイズ上まで、それ以上は基本的にいらない——これが一番ムダのない選び方です。
「うちの場合どっちかな?」と迷う方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。エアコンの電気代を月いくら下げられるか →
5プロが現場で選ぶ判断基準
結局のところ、カタログの「○畳用」という表記はあくまで目安。福岡の現場で15年やってきた感覚として、最後は 4つのポイントを総合的に見て 決めています。
① お部屋の中の空気の量(広さ × 天井までの高さ)
畳数だけじゃなく、空気の量で見るのがコツです。20畳のリビングでも、天井までの高さが2.4mのお部屋と3.0mのお部屋では、空気の量が1.25倍違います。「ぴったりサイズか、ワンサイズ上か」で迷うときほど、天井の高さも一緒に確認 するのがおすすめです。
② 窓の向きと大きさ
南向きで大きな窓があると、夏は太陽の熱が入ってきます。逆に北向きで小さい窓だと、冬は冷気がしのびこみます。窓の合計面積がお部屋の床の20%を超えるくらい大きい なら、ワンサイズ上を検討してください。
③ 何人で使う部屋か・どんな使い方か
意外かもしれませんが、人間も「熱を出す存在」なんです。大人1人で約100W、家族4人がリビングに集まれば合計400W——豆電球が4つついているのと同じくらいの熱が出ています。来客が多いリビング、在宅ワークで長時間使う部屋は、ワンサイズ上 にしておくと余裕です。
④ 機種のグレード(同じ畳数でも中身は違う)
カタログ上は同じ「2.5kW」でも、上位グレードは余力があってゆったり動ける設計、下位グレードはギリギリの設計、という違いがあります。ボーダーラインの部屋(木造6畳の戸建てなど)に下位グレードを選ぶと、フル運転が続いて電気代がかさむことも。グレードと畳数はセットで考えてください。
具体的にどの機種が、どの広さ・どの家に合うか——商品ページで一覧で見られます。
機種選びに迷ったら、
まずはお気軽にご相談ください
「うちは木造の戸建てだけど何畳用がいいの?」「リビングに吹き抜けがあるんだけど…」——こんなふんわりしたご相談で大丈夫です。ご家庭だけで決めようとすると、畳数・天井・窓・家族構成…と見るところが多すぎて迷われるのが普通。福岡の現場で15年、間取りや家のタイプを見ながら、ちょうどいい能力を正直にご提案します。お見積もりだけでも取っておくと安心ですよ。
24時間受付・1分入力で気軽にどうぞ
お急ぎの方はこちらから
年中無休 8:00〜20:00 | 福岡全域対応
現場の状況を確認のうえ、正確なお見積もりをご案内します
❓ よくある質問
問題ありません。むしろ鉄筋マンションの6畳なら8畳用が安定して効きます。ただし4畳半に14畳用といった極端なオーバースペックは、電気代も初期費用も無駄になりがち。1〜2サイズ上までが現実的な目安です。
断熱性能と気密性が違うためです。木造は熱が逃げやすく外気温の影響を受けやすいので、畳数表記の上限値(例:6〜9畳の上限9畳)に近い表記を選びます。鉄筋マンションは断熱性が高く室温が安定しているため、表記の1.5倍程度まで余裕で対応できます。
床面積ではなく「容積」で判断します。20畳のLDKでも吹き抜けで天井高5mある場合、実質的には30畳分の空気を冷暖房することに。一般的な天井高2.4mの2倍に相当するので、容積比でワンサイズ〜ツーサイズ上(6.3kWのところ7.1kW以上)を選ぶのが基本です。
正しいサイズアップなら、むしろ電気代は下がるか同等です。能力に余裕がある機種は弱運転で済むので、コンプレッサーが効率の良い領域で動きます。逆に小さすぎる機種は常にフル運転になり電気代がかさみます。ただし極端なオーバースペックは初期費用が無駄になるので、1〜2サイズ上が現実的です。
用途が違えば機種選びも変わります。寝室は静音性(運転音20dB台)と就寝モードを優先、子供部屋は人感センサーや空気清浄機能があると便利です。畳数(kW)は同じでも、グレードや機能で選び分けるのがおすすめです。
