「エアコンの上のあたりが少し膨らんで見えない……?」――同じ場所で3台目4台目の取付になるお家で、ある日ふと気がついて慌ててご相談いただくケースが福岡で増えています。築20年以上のお家だけじゃありません。築浅戸建てや賃貸でも、同じ位置で何度も付け替えてきたお家には、目に見えにくい落下リスクが潜んでいます。木造ボード壁の中身と「補強」の話を、福岡の現場で15年やってきた電気工事士の目線でお話しします。
エアコンの落下リスクは付け替え回数・築年数・お掃除機能の重さ・梅雨湿気の4つで決まります。築浅でも、同じ場所で何度も付け替えしてきたお家は要注意。下地(柱・間柱)に当たっていない位置は石膏ボードだけで支えているため、繰り返しのビス打ちと振動でゆるみやすい構造です。補強板を入れる工事をすれば、お掃除機能付きの重い機種でも支えやすい状態にできます。
1「以前と同じ場所にエアコンを」で起きていること
エアコンの買い替えで「以前と同じ場所に取り付けたい」というご希望は本当に多いです。配管穴やコンセントの位置がそのままで楽ですし、お見積もりもシンプルに見えます。ただ最近、福岡の現場で「壁の中の補強がもう持たないな」と感じる物件が増えてきました。
築20年以上のお家が中心ですが、築浅戸建てや賃貸でも、同じ場所で何度も付け替えてきたお家は要注意。前の入居者の代を含めれば4台目5台目になっていることもあります。築年数より付け替え回数の方が効くケースもある、というのが現場の感覚です。
・築25年の戸建てで3台目の取付に壁紙が浮いた
・築8年の建売だけど引越しのたびに機種を替えてもう4台目
・お掃除機能付きを買って数年、エアコンの下が前にせり出してきた
エアコンは見た目より重く、お掃除機能付きは本体だけで十数キロあります。壁の作りと取付履歴次第で、数年後にビスが効かなくなって本体がゆるみ――最悪の場合は外れて落下する事故にも繋がります。
2木造ボード壁の中身——下地と石膏ボードの違い
木造の壁は、基本は柱・間柱(柱と柱の間に立つ垂直の木材)と石膏ボードの組み合わせ。表に貼られた石膏ボードと、奥の下地(柱や間柱)の2層構造です。
エアコンの背板(壁にビス止めする金属プレート)は、本来下地にビスを効かせて固定するのが正解。下地にしっかり当たっていれば、本体十数キロを長期間ぶら下げても問題なく支えられます。
問題は下地に当たっていない位置にビスを打った場合。石膏ボードはやわらかい素材なので、本来はボードアンカーや中空用金具で補強した上でビスを打つ必要があります。急いでいる工事や経験の浅い職人だとここがおろそかになりやすい。石膏ボードだけで本体を支えている状態になると、振動と湿気で年々ゆるんでいきます。
エアコン背板のあたりを軽くコンコンと叩いてみると、下地に当たっている部分は鈍い音、空洞になっている部分は高い音がします。「空洞っぽい音だった」というお家は、付け替え時に下地確認と補強を一緒にお考えください。
3エアコンが落ちやすくなる4つの条件
落下リスクは「これだけが原因」ではなく、4つの条件が単独・複合で効いてきます。それぞれが別の効き方をするので、いくつ当てはまるかで状況が見えてきます。
① 同じ場所での付け替え回数
同じ位置にビスを何度も打ち込むと、ボードや下地のビス穴が広がっていきます。これは築年数とは別に効く因子で、築浅でも交換歴が多いお家は要注意。賃貸物件で前の入居者の代から4台目5台目というケースもよく見ます。
② 築年数の古さ
築20年30年と経つと、長年の湿気でボード自体の強度が落ちてきます。①と重なると、新品の初期取付でも数年で症状が出ます。
③ お掃除機能付きの重いエアコン
お掃除機能付きはモーターやダストボックスを内蔵しているので本体重量が重め。掃除動作中はモーターの振動も壁に伝わります。重さ+振動の二重で負担が大きくなります。
④ 梅雨時期の湿気+除湿運転
梅雨時期は壁の中の湿度が上がり、除湿運転中の結露でボードがふやけてビスが効きにくくなることも。振動が加わると、見た目に何ともなくても穴の周りでゆるみが進みます。
4つすべてが揃うのはまれですが、「築20年・3台目」「築8年・4台目」「築古でお掃除機能付き」のように2つ3つ重なるお家は珍しくありません。当てはまる条件を数えてみて、不安があれば付け替え時に下地確認をお願いします。
4補強板を入れる工事の中身(追加で別料金にしないやり方)
補強が必要な場合の工事は難しいことはしていません。流れは大きく3つです。
- 下地の位置を調べる:下地センサーや叩いた音で柱・間柱の通り道を確認
- 補強板を取り付ける:柱と柱の間にベニヤ板(補強板)を渡して荷重を受けられるように
- 背板をしっかり固定:補強板にビスを効かせて、本体を長く安定して支える
補強板は表からは見えず、見た目はそのまま。取り付ける前にしっかり下地を見る業者かどうかで、数年後の安心感が大きく変わります。賃貸や分譲マンションでは管理会社・管理組合への確認が必要なケースもあります。構造材(柱や梁)を傷つけない範囲で、お家の壁の作りに合った補強方法を一緒に決めていきます。
工事の中身は状況で変わるので、その場で決まりきった金額にはなりません。エアソリでは現地調査で下地を確認した上で、補強の要否と中身を最初のお見積もりに反映します。取付当日に「壁が弱いので別料金で◯円」と言われて慌てる、という事態になりにくいやり方です。
引越し業者経由や量販店の即日工事だと、下地確認を飛ばして取り付けてしまうケースもあるとお聞きします。お客様の側で見抜くのは難しいので、「壁の中を見てくれる業者か」を選ぶ段階で確認するのが安心です。
5町の電気屋さん感覚で、壁ごと拝見してから決める
「お家を見てから機種を一緒に選ぶ」――昔ながらの町の電気屋さんが普通にやってきたことが、結局壁の落下リスクを未然に防ぐ一番の方法だと感じています。お見積もり時に壁の下地を一緒に確認するだけでも、不安はずいぶん解消されます。
- 壁の下地位置を確認して補強の要否を判断
- 過去の取付履歴と穴周りの状態を一緒にチェック
- 補強が必要な場合は、機材持参で当日中に取付まで対応可能なケースも
- お掃除機能付きでも、補強さえできていれば長く安心して使える
- 仕上げは化粧モール(配線カバー)でお部屋の見た目もきれいに
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よくある質問
築浅でも要注意のケースはあります。同じ場所で何度かエアコンを付け替えてきたお家や、引越しで前のお住まいから持ち込んで取り付けたお家は、ビス穴の周りが弱っていることがあります。お部屋を拝見して補強の要否を判断します。
見た目だけで正確に当てるのは難しいですが、背板を外したときのビス穴の数や状態で履歴がある程度わかります。穴の位置をずらして取り付け直したり補強板を入れたりと、状況に合わせて対応します。賃貸物件は管理会社さんへの確認もサポートします。
壁の補強さえしっかりできていれば、お掃除機能付きでも問題なく使えます。大事なのは「重い機種を長く支えられる壁の作りにしておく」こと。最初の取付時に下地確認と補強をやっておけば、その後の付け替えも安心です。
壁の状態と下地の位置で工事内容が変わるので、その場で決まりきった金額をお伝えするのは難しいです。エアソリでは現地調査で下地を確認した上で、補強の中身を最初のお見積もりに反映しています。後から別料金で◯円と言われるのではなく、最初に必要な工事を全部出してから取付に入るのが基本です。
